2002年08月10日

◆今日の一品◆
H製 蚊帳
今日の新アイテムはとってもキュートな蚊取り線香ですね。あっ、でも下にお皿を重ねな昨日の蚊取り線香に続いて、風流なものが届きました。蚊帳(かや)なんだけど、読み方は元より使ったことある人って、どのくらいいるのでしょうか? ちなみに私は使ったことありません。
蚊帳と書いても、なかなか「かや」と読めないのですが、日本では「播磨国風土記」で応仁天皇が播磨の国を巡幸の際に「賀野の里」(=かやのさと)という所で、殿を作って蚊帳を張ったという記録が蚊帳のはじまりのようです。蚊帳が本格的に作られ始めたのは奈良時代のことで、唐から手法が伝わり、蚊帳の材質は絹や木綿だったようです。これが、「奈良蚊帳」と呼ばれていたそうですが、室町時代に入って、この「奈良蚊帳」の売れ行きに目を付けた近江国の八幡の商人がはじめて麻の糸を織らせて蚊帳の生産を始めたのが「八幡蚊帳」と呼ばれた蚊帳だったようです。
このころの蚊帳は上流階級だけの贅沢品で、戦国武将のお姫様の輿入れ道具としても、また夏の貴重な贅沢品として「米にして2~3石」と言う高価なもので、庶民には暑苦しい紙の蚊帳(=紙帳)が使われていたようでした。江戸時代に入ると17軒の蚊帳屋が講を形成していたそうで、それが現在の日本蚊帳商工組合の源のようで同じ近江の長浜でも「浜蚊帳」と呼ばれる蚊帳の生産が始まり、両方を合わして「近江蚊帳」と呼ばれ非常に有名な産品になったそうです。